「夢職人と忘れじの黒い妖精」イベントロゴの作り方とデザインのこだわり

クリエイター

はじめに

こんにちは!

「夢職人と忘れじの黒い妖精(以下:ゆめくろ)」でリードデザイナーをしておりました、Tと申します。今回はゆめくろの世界を彩るイベントの顔とも言える「イベントロゴ」ができるまでの流れと、現場デザイナーのこだわりをご紹介させていただきます。

ゆめくろデザインチームでは、主に現場デザイナーがイベントロゴを制作し、リードデザイナーが上がってきたロゴのデザイン監修・チェックを行っています。

私は主に機能開発とアプリ全体のデザインディレクションを行っていたので、意外と自分の作ったロゴが少なかったりします。ゆめくろでいうと、タイトルロゴとイベント・ダテンクエストのロゴは私が制作したものになります。

ゆめくろのタイトルロゴにもたくさんのこだわりがあるので、機会があればいつかお話させて頂きたいですね。

今回は、季節が夏ということで、2022年に開催したイベント「ゆらり、揺蕩う百花の宵に」のロゴ制作過程をご紹介します。

ラフ制作

まず始めに、シナリオチームから届くロゴ制作依頼書と実際のイベントシナリオを読み込みます。

シナリオチームの推したいポイントと、デザインチームの推したいポイントをうまくデザインに落とし込むことが重要となります。

今回はしっとりとした花街の夜祭感が魅力的なイベントということで、縦書きロゴの可能性を模索するために、横書きと縦書きのラフを用意してもらいました。

どちらが今回のイベントにあっているか現場デザイナーやプロデューサーと話しながら、方向性を詰めていきます。

話し合った結果、視認性の担保イベント世界観との親和性の二点から、縦書きロゴで細部を詰めていく事に決定しました。この際、同時にフォント選定も進めてもらいます。

フォントが1つ違うだけでロゴの与える印象がガラリと変わるので、議論を重ねつつ慎重に決定していきます。今回は大人和風でしっとりとした印象を出す為、AとFのフォントを使いながら本制作に入りました。

ここからは、本制作に向けて一度私の方でデザインチェックを挟むのですが、今回はラフ段階で完成度が高かったので

↑このような感じで、地の文の文字色だけフィードバックをしました。

ゆめくろデザイナーチームはみんなゆめくろの大ファンで、キャラやシナリオ理解度が高く毎回制作物の初稿も精度が高いものを出してくれるので、この時点で大きなフィードバックをする事は少ないです。ラフ段階でのフィードバックは最低限に、のびのびと作ってもらいたい意図があります。

そして、愛があり余るがゆえに、〆切ギリギリまでブラッシュアップを重ねることもあります。

本制作

そして次に上がってきたものがこちら!!!

「ゆらり」「たゆたう」という単語に合わせて、文字全体が水面に漂っているかのように見えるよう、文字配置のバランス調整が行われています。

また、上で私がフィードバックした地の文の色味調整も対応されています。

「百花の宵に」という単語を色鮮やかに目立たせたいので、周りの色は暗くして、強弱を付けるという意図があります。文字色が濃いので、視認性も上がります。

他に、拡大してよく見てみると、雲の部分に、ラフの段階ではいなかった金魚が増えています。

こういった細かいこだわりも、ゆめくろ愛の強い現場デザイナーだからこそなせる技です。

ここからは、完成に向けて私の方から細かくフィードバックしていきます。

デザインフィードバック

ごちゃごちゃと何かを言っていますが、とにかく「色気と豪華さ、花街のしっとりとした雰囲気」を出すために、様々な角度からフィードバックを行っています。

また、ロゴをひとつの塊として見た時に、バランスが良くまとまっているかについてもしっかりと見ていきます。今回で言うと、ルビの位置調整や、文字部分のロゴの行間を少し詰めてまとまり感をアップさせる調整がその部分に該当します。

上記には記載していないですが、他にもたくさん微調整を依頼しています。

初稿時点ですでに素敵なロゴですが、ここに魔法をかけることで、更にグッとよくなります。

完成

そして調整してもらった結果、完成したロゴがこちらになります

とても美しいですね。艶やかで華やか、花街の空気感を感じる。だけど少し儚さも感じるような…そんな素敵なロゴです。

ブラッシュアップで追加された金の花と雲の飾りと鮮やかな提灯ぼんやりとしたさまざまな色の光が、更にロゴを際立たせる良いアクセントになったと思います。

最後に

ゆめくろイベントロゴ、他のロゴにもたくさん制作秘話があるので、機会があればまた執筆させていただきます!

みなさまもゆめくろのイベントをプレイする際、イベントロゴに隠された小ネタを見つけてみてくださいね。