イケメンテックラボの寺林です。
先日リリースした「王子様に急接近AR」はお楽しみいただけましたでしょうか?
王子様に急接近ARは「夢王国と眠れる100人の王子様」のフロスト王子にスマートフォンを通じて会うことができるARアプリです!
アプリの詳細や遊び方についてはこちらの記事で解説しています!よければご覧ください。
今回は「王子様に急接近AR」の技術的に挑戦した点や工夫について簡単に説明します!
マルチプラットフォームAR
「急接近AR」はARKitとARCoreのマルチプラットフォームで作成しました。
マルチプラットフォームというとVuforiaや先日紹介したARFoundationなどがありますが、
今回の急接近ARでは、新しいもの(ARKit,ARCore)を使ってみたい!という思いとARFoundationがまだPreview版(現在もですが)という事もあり、ARKitとARCoreのSDKを別々で使用し、実装する様に対応することにしました。
過去記事で導入方法などは解説しています。
「急接近AR」では下記画像の様に、ARCore,ARKit用のPrefabを作成し、起動時にプラットフォームを判別し、Prefabを生成することでマルチプラットフォームを実現しています。


立体音響
そして以前開発したテックラボの開発第一弾、「王子様のささやき朗読VR」と同じように今回の急接近ARでも立体音響(ResonanceAudio)を使用しています。
そのためフロスト王子の左側、右側に立ったり、後ろに回ったりすると声の聞こえ方が変わってきます。
ResonanceAudioも過去記事で導入の紹介をしています。
急接近ARでは画像のように立体音響の設定をしています
円形の表示が立体音響の聞こえる範囲になります。
円の中心に近づけば近づくほど、声が大きく聞こえ、離れると小さくなります。


口の部分はセリフ用、足にあるのは足音用です。
急接近ARではしっかり足音も立体音響になっているので王子が近づいてくる感じ、遠のいていく感じが伝わると思います。是非イヤホン、ヘッドフォンを使ってプレイしてみてください。
環境の映り込み表現
ARKIt2で追加されたenvironmentTexturing(環境の写り込み表現)を「急接近AR」では取り入れています。これによりiOS版だけにはなってしまうのですが一部のオブジェクトに現実世界の映像をブレンドさせて表示しています。(強めにかけるとかなり違和感あったのでかなり弱めに入れてます)
これにより現実に物体が存在する様に感じられる様になり、存在感(説得力)が出ます
具体的にいうとフロスト王子が最初登場した時、椅子の近くにあるテーブルの上の花瓶でenvironmentTexturingを使用しています。
花瓶に注目… 花瓶に床の模様が写り込んでいる
うっすらとですが、ガラスに床の模様が表示されているのがわかるかと思います。
カメラで写した映像を元に反射して見える様、ブレンドされています。現在配信されてるARアプリの中でもenvironmentTexturingを使用したアプリはまだ事例が少なく、早い段階から試せたのは良かったと思ってます。
まとめ
イケメンテックラボ第二弾ではフロスト王子が現実世界にやってきた、という体験を最大限表現できるようにこう言った存在感を増すための挑戦をいくつもやってきました。今後これらの技術について紹介していこうと思っておりますのでお楽しみに!